長編小説を書いていると、途中で「設定が合わない」「登場人物の行動に矛盾が出てきた」など、辻褄が合わなくなることがありませんか?
最初は完璧に思えたプロットも、書き進めるうちに「あれ?」と感じる場面が増えてしまうこともあるでしょう。

辻褄を合わせようとすると、余計混乱して崩壊してしまいます。

辻褄は、合わせようと考えると合わなくなるものです!
この記事では、長編小説で辻褄が合わなくなる主な原因と対処法について解説します。
長編小説で辻褄が合わなくなる主な原因
長編小説を書いている途中で辻褄が合わなくなる主な原因は、3つあります。
- ① 物語の細部を決めていないから
- ② つなぎのエピソードが多すぎるから
- ③ 作者の都合で物語をねじ曲げているから

つまり、辻褄が合わなくなるのは主軸となる物語を考えきれていないからです!
① 物語の細部を決めていないから
世界観や設定を曖昧にしたまま書き進めると、後半で物語の整合性がとれなくなります。特にプロットを作ることに苦手意識がある方は、物語の細部を決めずに書き出している人が多いでしょう。
物語の細部を決めていない状態とは、以下のような状態を指します。
- 大きな展開と展開の間を考えていない
- 表面的な設定しか考えられていない
- 物語の設定と大まかな展開しか考えられていない
- 時間の流れを正確に決めていない
小説の物語を考えるためには、実際に小説で書かれている部分はもちろんのこと、描かれない部分まで考える必要があります。特に設定の場合は、その設定が表に描かれることがなくても細部まで決めておくことで、軸のぶれない物語を生み出せます。
登場人物の過去、街の構造、時間の流れなど「見えない設定」を決めておくと、いざ執筆する際に迷うことがなくなります。

物語全体の“地図”を作る意識で、先に細部を固めておくとズレが起きづらくなりますよ!
② つなぎのエピソードが多すぎるから

シーンの間の繋ぎは、ついつい入れてしまいます
「次の展開までのつなぎ」として描いたシーンが多いと、中だるみを生み、物語全体がぼやけてしまいます。エピソードの目的(キャラの成長・伏線回収・感情変化)などを明確にしないままシーンを足してしまうと、後で“どこに繋がる話なのか”がわからず、辻褄がずれていく原因に。

意味のないシーンは増やさない!と言うことです。
①でお伝えしたように、最初から物語の細部まで決めておくと、「つなぎのためのシーン」は生まれません。「次のシーンまでの繋ぎが必要!」「繋ごう!」と考えるから、不自然な「つなぎのシーン」が生まれてしまうのです。
展開と展開の間は、次の展開の間に登場人物たちの間でどのような心境の変化が起こり、どのような成長が起きるのかがわかるシーンを入れると良いでしょう。
自然に繋ぐならば、「街に着いた瞬間、昨日までの迷いが嘘のように消えた。」というように、登場人物の心境の変化に着目するのがポイントです!
「つなぎのシーンが思いつかない!」と頭を悩ませてしまうのであれば、本当はつなぐ必要がないのかもしれません。いっそのこと、浮かべている展開と展開の間を省略して次のシーンに移ってしまった方が綺麗に収まることもあります。

小説は、全てを丁寧に描きすぎない、読者への余白を与えることも大切です!
③ 作者の都合で物語をねじ曲げているから
「この展開にしたいから」「早くクライマックスに行きたいから」という理由で、キャラの行動や設定を無理に変えてしまうと、読者に“嘘”が伝わります。物語は常に「キャラがどう動くか」に合わせることが大切です。作者が強引に引っ張ってしまうと、ご都合主義になってしまい、リアリティが崩壊します。

それまで揉めていたのに、急に展開がスムーズになると、違和感がありますね。

キャラクターが動いているのか・動かされているのかは伝わるものです!
小説のキャラクターは、その物語の中で生きる一人の人間です。人一人の考え方や行動は、簡単に変わるものではありません。変わるためには、必ず何かしらの理由が必要になります。
小説では、キャラクターたちが様々な出来事を体験し、様々な人と関わっていく中で、変化・成長をしていきます。
物語を動かすならば、キャラクターが変わるきっかけを与えることが大切!理由なしに作者の都合で物語を変えるのはNGです。
【長編小説を書けないよくある失敗の原因・改善策については、以下の記事をご覧ください】
長編小説はリアリティーを描くことが大事!
前章で、物語の細部まで決め、不必要なシーンは省略する必要があるとお伝えしました。作者の都合で物語を捻じ曲げ、キャラクターや設定を無碍に変えてはいけない理由は、小説はリアリティーを描く必要があるからです。

フィクションの世界なのに、リアリティーが大切なんですか?

フィクションだからこそ、リアリティーが必要な理由があるんです!
その世界の中での嘘を描かない
小説の世界は、作者が作り上げた虚構の世界です。しかし、作り上げた物語の世界の中では、実際にキャラクターが思い思いの感情を持って生きています。
小説・ドラマ・アニメ、どの媒体でも没頭できるのは、その世界にリアリティーがあるからです!例えば、異世界転生ものがたくさん出ているのは、「本当にこんな世界で第二の人生が生きられるのかもしれない!」と言うリアルを感じられるからです。
もちろん、それがフィクションなことは誰もがわかっていることです。しかし、様々な設定・世界観で描かれた物語の中で「私はのんびりライフで過ごしたいな」「悪役令嬢になって見たいな」と思えるのは、それぞれの物語が嘘偽りなく描かれているからです。

読者は嘘に敏感です!
急にそんなこと起きるわけない!こんな展開おかしくない?と感じさせてしまうと、読者は途端に冷めてしまいます。どれだけ破天荒な設定であっても、その世界の中で納得のいく設定・話であれば読者は違和感を持つことがありません。
しかし、これまで描いていなかったような設定が途端に作られたり、実は・・・ととんでもないことが語られてしまうと、その世界が嘘に感じられてしまいます。
大切なのは、その世界における常識・ルールを作り上げ、その世界の中での真実だけを描くことです。
その世界を知ることでリアルを描ける
リアリティーある作品を作るためには、執筆前に作者がその世界について細部まで理解する必要があります。長編小説を書ける人は、物語の世界を誰よりも把握し、自分が生み出すキャラクターのことを熟知しています。
【執筆前の世界観の作り方・熟知の仕方については以下の記事を参考にしてください】
まとめ|辻褄合わせをしない物語は、最後まで面白い
小手先の“辻褄合わせ”で整えるより、最初から「世界の一貫性」を意識して描くことが、長編小説を最後まで面白くする秘訣です。キャラや世界を深く理解し、“自然に進む物語”を描けるようになると、矛盾に悩まされることがなくなります。
「辻褄が合わない!」と感じた時は、無理に話を進めるのではなく、一度立ち止まって設定やキャラクターを見直して見ましょう。どこかで無理に話を進めてしまっている箇所があるかもしれません。原点に立ち返ることで、自分の作品の本質がわかるようになります。
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