
小説を書きたいのに、どこから始めればいいかわからない

書き始めたのに途中で止まってしまった
小説を書く人の多くが、このような悩みを抱えています。
小説を書くことは、自由で楽しい反面、孤独や不安もつきまとうもの。特に初心者にとっては「これでいいのかな?」という迷いが、筆を止めてしまう最大の理由かもしれません。
この記事では、小説初心者でも最後まで書き切るための基本ステップと、書き続けるための10のコツをご紹介します。あなたの物語が一歩ずつでも前に進めるよう、実践しやすい工夫をまとめました。
なぜ初心者は小説を途中で挫折しやすいのか?
初心者が小説を完結させられない理由の多くは、以下のような心理的・技術的な壁にあります。
最初から完璧を目指さなくても大丈夫です。まずは書くことを楽しむために、軽やかな一歩を踏み出してみましょう。

最初からうまく書ける人はいません!
みんなが試行錯誤の末です。
小説を書くときに大切な基本4ステップ
小説を書くときに大切な基本の4ステップをご紹介します。

このステップに沿って進めていけば、最後まで書き切れるようになりますよ!
① ジャンルとテーマを決める
まずは、作品のジャンルとテーマを決めましょう。
恋愛・ミステリー・ファンタジーなど、自分が「書いてみたい!」と思えるジャンルを決めてください。
テーマは物語の核となる部分です。その作品を通じて伝えたいことや、物語の方向性が決められます。テーマを決めておくと、物語がぶれる心配がなくなります。

テーマと考えると、明確なものが決まらず難しいです
・自分が強く共感した経験や感情から考える(成長・再出発・喪失など)
・好きな作品のテーマを参考にする(初めての気持ち・信じる勇気など)
・一言で言えるメッセージを考える(未来は自分で変えられるなど)

初めは、なんとなく書きたい!と思うもので大丈夫です。
テーマは単語など、一言で言えるものでも大丈夫です。反対に、自分の中で出来上がっているのであれば長くても問題ありません。
② 主人公と登場人物を明確にする
テーマが決まったら、登場人物を明確にしていきましょう。物語はキャラクターが動かすものです。まずは主人公の性格、目的、悩みなどをざっくり設定していきます。
主人公が出来上がったら、他の登場人物も作っていきましょう。キャラクター同士を絡ませていく中で、物語は発展していきます。主人公を考える際にサブキャラとの関係性も意識すると、自然と物語が生まれます。
③ 起承転結の流れをざっくり考える
最初はプロットを細かく作らなくても、「始まり→盛り上がり→問題→解決」の流れを大まかに書くだけで、執筆中に迷いづらくなります。
物語の方向性を示すような形で、起承転結を作りましょう。

描きたいラストに辿り着かない時は、結から逆順に考えるのもおすすめです!
詳しいプロットの作り方については、こちらの記事も参考にしてください。
④ 書き出し(導入)に時間をかけすぎない
小説作りに慣れていないうちは、最初の一文から悩みがちです。しかし、最初から書き出しに時間をかけすぎるのはNG。
導入文は、後から何度でも書き直せます。まずはどんな文章になっても良いので、物語を進めることを優先しましょう。書き続けていくなかで、物語の流れをつかむことが大切です。

まずは物語を完結に近づけましょう!
初心者におすすめ「書き続ける」コツ10選
はじめて小説を書く人がぶつかる壁は、書けなくなることです。実は、小説は書き続けることが一番難しい問題です。

壁にぶつからないために、書き続けるためのコツを10個紹介します!
① 最初から完璧を求めない
一作品目となると、「良いものを書きたい!」という思いが強くなりがちです。実際私も、一行書いては消して、書いては消してを繰り返した経験があります。
しかし、「書き出しに時間をかけすぎない」でお伝えしたように、まずは書き進めることが大切です。とりあえず書き進め、最初のうちは完成度より継続することを意識してください。

書き続けていくと、書きたい!気持ちが膨らんでいきますよ
② 1日200〜500字でもOKとする
小説を書き続けるためには、小さな積み重ねが大切です。真面目な人ほど「まとまった時間がとれた時に書こう」と考えがちです。

休日にがっつり時間がとれたら書こうと思っていました
しかし、「時間ができたら」「環境が整ったら」と考えると、どんどん書く腰が重くなります。長編作品は、コツコツとした日々の積み重ねから生まれます。
たくさん書こうと考えず、無理なく続けられる文字数で、書くことを習慣化しましょう。
③ 書く前にメモやプロットを簡単に用意する
小説を書き出す前は、これからの道筋をメモしたものや、プロットを用意するようにしましょう。がっちりと決まっていると書くのが難しい人は、簡単でも良いので今後の流れを書いておくと安心です。

行き当たりばったりより、道筋がある方が安心して書けますよ!
④ 好きな作家の文体を真似してみる
はじめのうちは、文章が迷子になりがちです。どのような表現や文体で物語を進めれば良いのか、迷ってなかなか手が進まない人もいるでしょう。

最初は、好きな作家さんの文体を真似してみてください!

真似しても、怒られないでしょうか?
真似は創作の入口。小説の練習として、作品を模倣するところから始めることもあります。
物語の内容や登場人物など、すべてを真似すると盗作になってしまいます。しかし、文体を真似するのは自分のスタイルを見つけるためです。真似して書き進めているうちに、自分ならではの書き方が見つかりますよ。
⑤ タイトルや一行紹介を先に作ってみる
なかなか小説を書き進められない時は、先に物語や一行紹介を作ってみてください。「この作品を人に説明するならば?」と考えることで、物語の核が見えやすくなり、書く方向性が定まりやすくなります。
⑥ SNSやブログで“連載風”に公開する
一人で長編小説を書き続けると、「なんのために書いているのだろうか?」「この作品は面白いのだろうか?」と不安にかられてしまうでしょう。
SNSやブログなどで、連載風に公開すると、読者からの反応が得られます。

誰かが読んでくれていると思うと、モチベーションが上がります!
自分の作品を誰かが見てくれている、楽しみにしてくれているという状況を作れば、自然と書く手が進むでしょう。

ただし毎日投稿や、毎週連載などと決めるのはNGです!
決まっている方ができる人もいますが、「やらなければならない」という状態はプレッシャーになります。プレッシャーが大きくなりすぎると、書くのが辛く感じられるかもしれません。
「あげたら見てくれる人がいる」というくらいのモチベーションが、無理なく続けるコツです。
⑦ 書けない日は「読む日」と割り切る
毎日書こうと思っても、書けない日が出てくるのは当たり前です。書けない時は自分を責めずに、「今日は読む日」と割り切りましょう。
インプットも大切な創作活動の一部です。休むことで次のアイデアが生まれることもあります。

インプットが増えると、書ける内容も広がります
⑧ 書きたいシーンから書く
作品の中には、誰しも「ここが一番描きたい」というポイントがあるでしょう。人によっては、そこを描くのが待ちきれずに、それまでの話を雑に書いてしまう人もいます。
そうならないために、書きたいシーンから書いてみてください。

物語の中で一番“燃える”部分から書いてもOKです!
途中から書き出しても、後から繋げれば問題ありません。書きたいシーンを書くことで、その前後を埋めるお話も楽しく書けるでしょう。
何よりも、燃える展開を先に描いておけば、その流れに通じる展開に伏線を張ることもできます。逆順から書いたり、ポイントとなる展開だけを書いたりした方が上手くいく場合もあります。
⑨ 書く場所・時間を固定して習慣化する
書く場所・時間をルーティン化することで「今日は書く日」とスイッチが入りやすくなります。

家よりも外で書く方が捗りそうです

執筆はお気に入りのカフェで!とすると、気持ちが上がりそうですね
朝活時間に、仕事終わりのカフェ時間に、寝る前の習慣にするなど、自分が書きやすい時間と場所を定めておくと、ルーティン化しやすくなりますよ。
⑩ 他人と比較しない

投稿サイトで読まれなくて、人気作家と比べてしまいます
誰かと比べて落ち込むより、自分の物語を楽しむことが何よりも大切です。作品は評価しあうものではありません。自分の世界を描くことが大切です。
投稿サイトは面白さもありますが、宣伝力の高い人の作品が読まれます。投稿サイトで読まれない=面白くない作品ではありません。
今はまだ、あなたの作品を見つける人が少ないだけです。ある日突然、誰かの目に留まったことがきっかけでPV数が増えることも珍しくありません。

数字の多さに囚われず、読んでいる人がいることに目を向けてみて!
書いたあとにやるべき“読み返し”と“直し”の基本
小説は書いた後に、一晩寝かせるようにしましょう。冷静な視点で読み返すことで、書いている時には気付けなかった矛盾が見つかるかもしれません。
読み返す時は、誤字脱字よりも「読んで意味が伝わるかどうか」に注目してみてください。 最初は粗くて当たり前。ミスを見つけて落ち込むのではなく、直しながら育てていきましょう。

どれだけ優れた人でも、一度で完璧なものは作れません!
読み返して直す、推敲作業を重ねることで面白い小説は作れます。書き終えた後の修正時間では、「どのように描けば読者はわかりやすいだろうか?」という視点で読んでみて下さい。
きっと、読者が読みやすい小説が作れますよ。
まとめ|小説は“書ききった人”が勝ち。コツコツ続けることが何よりの才能
どれだけ上手でも、書き続けなければ作品にはなりません。 しかし、稚拙な文章でも、書き切ればひとつの物語になります。
あなたの書く物語は、あなただけのもの。迷っても、止まりながらでも、一文字ずつ前へ進めていきましょう。
面白さや小説表現の上手さは後からついてくるものです。最初からクオリティーを考えすぎず、まずは書き続け、完成させることに目を向けましょう。
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